動物

実は意外と知らないイルカとクジラの違いについて解説!シャチとの関係

世界には様々な生き物がいますが、具体的な違いがよくわからなかったり
逆に全然違うような生き物同士が近かったりするものが数多く存在します。

今回は「イルカ」と「クジラ」の違いについて解説します。

一度陸へ上がり、海へ帰った生物

地球の生命は、何億年も前に海の中で誕生し、
ある生物は水中のまま生活し、またある生物は陸上に上がり進化していきました。

陸地に上がった生物には、そのまま地上に適応していったものもいれば
再び海へ帰った生物も存在します。

この、一度陸上に進出したものの、再び海へ戻った生き物がクジラです。

クジラは完全に水中で生活する生き物にもかかわらず、
魚類のようなエラ呼吸ではなく、他の哺乳類と同じ肺呼吸を行うのは
先祖が陸上で生活していたためです。

クジラの仲間

クジラの仲間は大きな分類でいうと、
「鯨偶蹄目(くじらぐうていもく、げいぐうていもく)」というグループに属します。

鯨偶蹄目というのは、クジラ類と偶蹄類が合わさったグループの事です。
哺乳類には足先に蹄(ひづめ)を持つものがいて、
その数が2本か4本のもの(偶数)を偶蹄類、1本か3本のもの(奇数)を奇蹄類と呼びます。

こちらの蹄は2本なので偶蹄類です。

偶蹄類にはウシやカバ・ラクダ・キリンなど非常に多くの仲間が存在し、
一見クジラとは全然関係が無いように思えます。

しかし、研究によってクジラはカバに近い生物という事がわかってきて、
偶蹄類と共通の祖先から進化したと考えられるようになったため、
鯨偶蹄目という大きなくくりでまとめられています。

イルカはクジラの一種

先にクジラについて解説させていただきましたが、
その理由は、イルカはクジラの一種だからです。

では、何をもって両者を呼び分けているのかというと
実は単純で「大きさ」です。

クジラ類の中でも、大きさがおおよそ4m以下のものを「イルカ」としています。

クジラの仲間は大きく分けると、
「ハクジラ類」「ヒゲクジラ類」の2つのグループに分かれます。

このうち、「ハクジラ類」の中でも小型のものをイルカと呼んでいます。

しかし、この基準も結構曖昧なもので
例えばシロイルカのような4mを超えるものでもイルカと呼ばれたり
逆に4m以下でもクジラと呼ばれる種類もいます。

シロイルカは、大きいオスでは体長が5mを超え
名前に「イルカ」とつく種類の中でも最大の大きさになります。

しかし大きさ的にはクジラであり、和名にはイルカとつきますが
分類的にはイッカク科に属するため、最も近縁なのはイッカクです。

シャチについて

シャチの分け方についても少しややこしいです。

シャチは大きさが9mにもなるためクジラです。
英語では「Killer whale(キラーホエール)」と呼ばれています。

しかし、所属はマイルカ科です。

このように、イルカとクジラの差はそこまで明確なものではなく
大きさの違いで呼び分けられていますが、厳密な基準はないので例外や微妙なものがあり
感覚的に呼び分けられている部分も多々あります。

シャチの生態についてはこちらで解説しています。

ハクジラ類について

ハクジラは「歯を持つこと」と、「噴気孔の数が1つ」であることが特徴です。

ハクジラの種類は76種類で、それに対してヒゲクジラは14種類と言われているので
クジラの多くはハクジラということになります。

このうち、イルカと呼ばれているのは40種類近くいて
カワイルカなど、海ではなく河川や河口などの淡水域に生息するものまでいます。

生態などわかっていない部分も多く、絶滅の危機に瀕しているものも少なくありません。

ちなみにハクジラ類で最大の大きさを誇るのは、15mを超えるマッコウクジラです。

深海に潜り、ダイオウイカなどの大型のイカを狩ることで有名です。

ハクジラの仲間は獲物を捕らえるために、超音波などの音を使います。

音を発してその反響によって、距離や大きさを把握する能力があります。

陸上ではコウモリにも見られますが
この能力を「エコロケーション」(またはエコーロケーション)と言います。

エコロケーションの能力は非常に優れていて
例え海底の砂の中に隠れている獲物でも見つけ出すことができます。

このように、口の中に歯を持ち、エコロケーションなどの能力を駆使して
比較的大きな獲物を個々に狙うのがハクジラの仲間です。

ヒゲクジラ類について

一方、ヒゲクジラ類は歯を持たず、代わりにブラシのようなヒゲが生えます。
また、噴気孔の数は2つです。

ハクジラ類と比べると種類数は少ないですが、体が大きいものが多く
最も小型のクジラでも6mほどあります。

最大種はシロナガスクジラで、大きい個体は体長が30mを超えます。

シロナガスクジラは現在の地球で最も大きい動物です。

噴気孔から出る空気によって、海水は9mの高さにまで上がります。

赤ちゃんは生まれた時点で体重が2tあり、1歳までは体重が毎日90kg増加するそうです。

上顎から生えたヒゲは、我々の髪の毛や体毛のような毛ではなく
歯茎の皮膚が変化したものと言われています。

このヒゲでプランクトンや小さな甲殻類、小魚などを濾しとって食べます。

大きめの獲物を個々に捕食するハクジラ類とは異なり
小さな獲物を大きな口でまとめて食べるのがヒゲクジラ類の特徴です。

ヒゲクジラは種によって様々な採餌戦略採餌戦略をとることが知られていますが
ザトウクジラはバブルネットフィーリングと呼ばれる面白い方法の狩りをします。

これは獲物を狩る際に泡で包囲網を作り、効率的に捕食する方法です。
数頭のクジラが泡を出しながら泳いで魚の群れを囲い

音を出しながら魚が逃げ出さないようにけん制します。

そして中央に集まったところを一網打尽にします。


ハクジラの仲間がエコロケーションで音を巧みに利用したように
ザトウクジラも音を使ってコミュニケーションをとると考えられています。

彼らが発する様々な周波数の音の繰り返しを「歌」と呼びます。

歌は1曲10分以上も続き、何曲も何時間も歌われることがわかっています。

ちなみに、クジラの歌は、「Songs Of The Humpback Whale」というアルバムでとして
リリースされています。

10万枚以上を売り上げ、生態音としては大ヒットとなりました。

また、1977年に打ち上げられた探査機「ボイジャー」に積まれたレコードには
地球人からのメッセージと共にザトウクジラの歌も収録されています。

まとめ

今回はイルカとクジラの違いや、クジラが、カバやキリンなどの偶蹄類の仲間であること
ハクジラ・ヒゲクジラの違いについて解説しました。

実はイルカはクジラの一種だというのは驚きですね!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

【関連記事】▼

ABOUT ME
ライデン
ゲーム・アニメ・漫画・映画などの娯楽や園芸・ペット飼育と少しの筋トレをこよなく愛するインドア派。