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【衝撃】鯉・ニジマスなど実は外来種だった意外な生き物13選!

日本には様々な生き物が生息しており、都会の中でも少し観察すれば様々な動物・鳥・植物を見つける事ができます。

日本にしか生息していない固有種もたくさんいる生き物の宝庫で、先進国の中でも自然のトップクラスの種類の生き物が溢れる素晴らしい国です。

身近にたくさんの生き物があふれている日本ですが、実はその生き物の中には元々日本には生息していない生き物(外来種)が混ざっているかもしれません!

ヌートリアワニガメのような生き物であれば一目で外来種だとわかりますが、その中には元々日本にいたように環境に溶け込んでいる外来種も存在します。

今回は、元々日本にいた?と思われがちな意外な外来種たちについて紹介します。

何百年経っても外来種?

「大昔から日本にいるならもう外来種ではないでしょう」と思われる方も居るかもしれませんが、外来種は何百年、何千年経過しても外来種のままです。

「外来種」と聞くと、ざっくりと「外国の生き物」と捉える方も多く
「外来生物法」という法律での外来生物は「明治時代以降に日本に導入された生物種」
限定されていますが、環境省が定義している「外来種」とは以下の通りです。

【環境省が定義する外来種とは】

  • 本来生息していない地域から移入されている
  • 人為的、人間の活動で運ばれたもの
  • 意図的・非意図的は問わない
  • 時代は問わない(明治時代も関係ない)

人間がペットとして持ち込んだり、体に付着してきた場合も同じ扱いで
この条件に当てはまり、元々いない場所から移入された場合に外来種となります。

鯉のように、入ってきたのが史前の大昔であっても
元々そこにいない生き物であればずっと外来種のままなのです。

ちなみに、渡り鳥や海水魚など、自分の力で横断できる生き物は外来種とはなりません。

前提として外来種は『悪』なのか?

日本の外、または違う地域から入ってきた『外来種』は全て悪いものなのかというとそうではありません。

現在日本に生息する生き物の中でわかっている外来種は約2000種類と言われ、入っては消えるを繰り返したりしていますが、全ての外来種が悪いものというわけではありません。

いわゆる『侵略的外来種ワースト100』のような自然や人間に対して非常に悪影響のあるものもあれば、実は昔から慣れ親しんでいる影響の少ない生き物も存在します。

とはいえ、元々日本にいない生き物を人為的に放す行為は元々の自然を破壊してしまう可能性が非常に高いため、購入した生き物や飼育しているペットなどをむやみに自然に放つようなことは絶対にやめましょう。

日本に生息する意外な外来種

鯉(コイ)

真鯉(マゴイ)を始め、金鯉(キンコイ)や錦鯉(ニシキゴイ)など色の美しい品種がおり、鯉のぼりのモデルとして日本の文化に定着している生き物です。

日本の古いお屋敷の池などでも飼われているイメージのある魚ですが
鯉は元々中央アジア原産でユーラシア大陸が自然分布域と言われています。

世界中に移入され、その生命力の高さから温帯・亜熱帯域に広く分布するようになりました。

日本に生息する鯉のほとんどは大昔に中国から移入してきたものだと考えられていて
、縄文時代の貝塚からも化石が発見されています。

関東平野や琵琶湖などのごく一部では野生の在来種である『野鯉(ノゴイ)』が生息していますが、現在ではほとんど外来種の鯉しか見られなくなってしまいました。

猫じゃらし(エノコログサ)

猫じゃらしの和名は「エノコログサ」といい、穂がブラシのようになるイネ科の植物です。

穂の部分を抜いて猫の前で振るとじゃれついてくることから
「猫じゃらし」という俗称がつけられています。

ちなみに、「エノコログサ」の名前の由来は穂の部分が犬の尻尾に似ていて
「犬っころ草」が転じたものと言われており、漢字で書くと「狗尾草」となります。

日本全土でも当たり前のように見られる雑草で、畑から荒れ地まで様々な場所に自生していますが、実は縄文時代前半までは日本には存在せず、同じイネ科のアワと共に雑草として移入されたと考えられています。

元々エノコログサはアワの原種で、食用に使える穀物でもあるため、乾燥させた穂を集めて細かい毛を取り除いて乾煎り(からいり)することで食べる事ができます。

火を入れると香ばしい匂いとなり、ポップコーンのような風味になるそうです。

ニジマス

ニジマスはサケ目サケ科に分類される淡水魚で、日本では養殖や釣りも盛んです。

ニジマスは元々、カムチャツカ半島からアラスカ、カナダなど
水温の低い環境で暮らしていた魚です。

英名では「レインボートラウト」という
まさに外国の魚といった名前で呼ばれています。

日本には1877年に移入され、それ以降日本各地の渓流などで養殖、放流が盛んに行われました。

ニジマスは産卵床を作る際に底を掘り返す習性があります。

そのため、イワナなどその他の在来種の産卵床を荒らしてしまうだけでなく
餌の奪い合いなども起き、外来生物法において「要注意外来生物」に指定されています。

そのため、世界、および日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されているほどですが、現代でも在来種と勘違いしている人が多く、自然のためにと放流を行っている地域もあり、本当の在来種が住みづらい環境になってしまっています。

また、ニジマスは養殖も盛んで静岡県では平成27年に1077トンもの生産が行われ、サーモンの代用魚の「サーモントラウト」として品種改良が行われたり、水産資源としての価値など、人間の都合で見過ごされている部分があります。

ちなみに、本来の日本の在来種のマスは「クニマス」と呼ばれる魚で
かつては秋田県の田沢湖のみに生息していた固有種です。

1940年に一時絶滅したと思われていましたが
2010年に山梨県の西湖で発見され、現在でも人工飼育が続けられています。

このクニマスを発見したのは「さかなクン」として有名の宮澤正之さんです。

鳩(ハト・ドバト)

普段街中や駅前、公園などでもよく見かけるあのドバトも外来種です。

元々はヨーロッパ・中央アジア・北アフリカなどの乾燥地帯に生息していた「カワラバト」で、品種改良した伝書鳩が野生化したものです。

人に馴れやすい性格からペットとして飼われるようになり、食用や伝令用、愛玩用など多数の品種が作られました。

日本にやってきたのは1500年前の飛鳥時代頃と言われています。

古来から鳩は八百万の神の使いなど、神社でも神聖な扱いを受けていたため、日本では殺生を禁止され、餌を与えることが功徳(くどく)とされる時代もありました。

長年人間に保護されてきたエリアでは人の足を踏みつけるほど無警戒な鳩もおり、明治時代以降になると欧米から伝書鳩が輸入され、新聞社で利用されたり、戦争がはじまると、本格的に伝書鳩の研究が行われて実戦にも投入されました。

観光客などが餌付けをすることで
観光地や歴史的建造物の近くに鳩が集まり、尿が金属の腐食を促進させたり
糞に含まれる「クリプトコッカス」が人体に悪影響を与えたり
糞害が様々な場所で問題になっています。

ワシ・タカ・フクロウなどの猛禽類は天敵で、生息する場所では捕食委対象になることがあります。

加えてカラス・猫なども天敵です。

チャバネゴキブリ

チャバネゴキブリは元々アフリカに自然分布していたものだと考えられており
具体的な移入時期は不明ですが、非常に強い生命力により
日本に限らず世界中の様々な国に入り込みました。

ゴキブリは世界に5000種以上生息し、屋内に出現するのはごく一部ですが
「大型のゴキブリ」が卵から成虫になるなるまで2年以上もかかるのに対し
「チャバネゴキブリ」はなんと最短3ヵ月で成虫へと成長するのです。

約2年間で6世代も世代交代して環境にすぐに適応し、建物さえあれば越冬も可能で、人間の食べ物なら何でも食べる雑食性で、活動可能な温度であればどこでも生きられる。

その見た目から深い害虫の代表格でもありますが、実害もあり
食中毒の原因になる微生物を媒介し、死骸やフンがアレルギーの原因にもなります。

日本の家屋には色々な種類のゴキブリが現れますが
実は日本の在来種のゴキブリは「ヤマトゴキブリ」という黒褐色の1種類のみです。
寒さに強いという特徴があり、2012年には北海道札幌市でも卵が確認されました。

シロアリ

木を食い荒らす木造建築の天敵と言われる害虫のシロアリ。

その経済的な被害は年間数千億円と言われ、火災による被害に匹敵するほどと言われています。

名前に「アリ」とついていますが、分類的に正確にはアリではなく
「ゴキブリ」の仲間と言われています。

シロアリにも様々な種類がおり、特に被害が多いのは
ヤマトシロアリ・イエシロアリ・アメリカカンザイシロアリの3種類で
その中でも在来種のシロアリは「ヤマトシロアリ」のみで他の2種類は外来種です。

どちらも輸入されている木材や家具に紛れ込み、移入されたと考えられています。

ヤマトシロアリとイエシロアリは地下で生活する土壌性に対しア
メリカカンザイシロアリは非土壌性で乾いた木材の中で生活する特徴を持ち
木の中のわずかな水分を使ってアリの巣のような穴を作り
気が付いた頃には建物全体の木材に穴を開けられ、耐震強度が大きく低下してしまうこともあります。

体長1cm程度の非常に小さい生き物ですが、時に命にも関わる恐ろしい昆虫です。

ニホンヤモリ

体長は10~14㎝ほど、体色は灰色がかっており
九州から東北まで幅広い地域に生息しています。

名前に「ニホン」とついていますが、なんと外来種です。

家を守ってくれるという意味で「ヤモリ(家守)」とも呼ばれ
窓や壁に張り付き、光などに集まってきた昆虫を食べてくれる頼もしい爬虫類として親しまれてきましたが、実は日本固有種ではなく、ユーラシア大陸からの外来種と考えられています。

移入された時期は定かではありませんが、平安時代以降と考えられています。

ニホンヤモリが発見されたのは江戸時代末期で
シーボルトが入手した標本を基に新種認定し、それから近年まで日本の在来種と思われ
「ニホンヤモリ」という和名がつけられました。

しかし近年、中国に生息しているニホンヤモリの遺伝子を比較したところ
ほとんど違いがなく、平安時代以前の和歌などにニホンヤモリの記述が見られないことから、平安時代以降に中国との貿易船を通じて持ち込まれた外来種である可能性が高いそうです。

今現在ペット化されている猫たちのもとを辿ると約6000年前(最古のもので9500年前)にもさかのぼります。

一説には「中東~北アフリカに分布するリビアヤマネコの中から人間に懐きやすい個体を飼育し続け、時に愛玩動物として、時に穀物を狙うネズミ番としてなどしてイエネコになった」という説がありますが、いまだにわかっていません。

また、最近の研究では古代から現代までの猫のDNAを比較すると
驚くべきことに遺伝的な構成に大きな違いは見られなかったそうです。

時には神様のような扱いを受けたりと、人間の歴史に寄り添いながら世界中に移入されていきました。

日本にやってきた時代は定かではないものの、奈良時代頃の経典に
「書物をネズミから守る益獣」として中国から猫を輸入したことが書かれています。

ルーツは中東付近にあるものの、世界中で「ただの外来種」ではなく「侵略的外来種」と呼ばれています。

「侵略的外来種」とは生態系や人間社会に重要な影響を及ぼす生き物を指す言葉で
例えば、ペットの猫がスズメや昆虫を捕食したり、近所の家の庭にフンをしたり
とてもかわいい生き物ですが、社会に及ぼす影響も計り知れません。

猫はとても俊敏で木登りも得意で、爪と牙を持った優秀なハンターです。

遊びのハンティングとして昆虫、鳥類、爬虫類など様々な動物を襲ってしまいますが、野良猫たちも生きるためにたくさんの生き物を捕食しています。

クサガメ

淡水生の亀で主に流れの緩やかな河川や湖沼などに生息している亀です。

在来種だと思われていたこの亀も、実は大陸から持ち込まれた外来種だったことが、京都大などの調査でわかりました。

脚の付け根からくさいにおいを出すため「クサガメ」と呼ばれています。

化石や遺跡からの出土例がないため、外来種の可能性が指摘されていました。

本州・四国・九州の野生のクサガメ134匹のDNAを分析した結果、103匹は韓国産と同じタイプで、日本の各地域による差がほとんどないことから、最近、移入したものと結論付けられました。

文献を調べると、18世紀初めにクサガメについての記録はなく
19世紀初めに記載されていることなどから、18世紀末に朝鮮からもちこまれたと推定されました。

外見がニホンイシガメとクサガメとの中間である亀(ウンキュウ)のDNAを調べた結果
在来種であるニホンイシガメとの交雑が起こっていることも確認されました。

交雑で生まれた亀にも生殖能力もあり、遺伝子汚染などの問題が懸念されています。

モンシロチョウ

蝶の代表のような昆虫で、日本のいたるところで見かける平凡な種であり
もっとも身近な蝶ですが、実は外来種です。

モンシロチョウは、奈良時代に大陸から大根や菜の花などのアブラナ科作物が持ち込まれた際に、その葉に紛れて日本に移入された外来種とされています。

幼虫はキャベツなどのアブラナ科の葉を食害してしまうため、農家からは害虫として扱われています。

オカダンゴムシ

日本では単に「ダンゴムシ」と呼ばれており、石の裏やジメジメした場所など
我々の周りで当たり前のようによく見かける動物です。

オカダンゴムシは元々日本には生息していませんでしたが、明治時代に船の積荷(つみに)に乗ってやってきたという説が有力です。

日本には元々「コシビロダンゴムシ」という在来のダンゴムシが生息していましたが
コシビロダンゴムシはオカダンゴムシより乾燥に弱く、森林でしか生きられないため、人家周辺はオカダンゴムシが全国に広まっていきました。

シロツメクサ

ほとんどの葉は三つ葉ですが、たまに四葉、五つ葉など複数の葉を持つものもあり
四葉のクローバー探しをした方も多いと思います。

こちらのシロツメクサも元々の原産地はヨーロッパです。

江戸時代にオランダから長崎に輸入されたガラス製品を衝撃から守るため、乾燥したクローバーを緩衝材として使用していました。

そこでクローバー全体を指す名称として「詰草」という日本語が生まれました。

さらに、白い花を付けることから「白詰草」と呼ばれるようになりました。

明治以降にあらためて牧草として導入され、繁殖力が旺盛なため全国各地に分布を広めました。

グランドカバーに使われたり、遊びで花冠などを作ったり様々なことに利用されています。

梅は4月~5月頃に開花する非常に馴染み深い木ですが、元々は中国原産で
古くは弥生時代には日本に伝来しているという説が有力です。

日本にある梅の古木としては、伊達政宗が朝鮮から持ち帰って植えたという
「臥竜梅(がりゅうばい)」があり、樹齢450年を超えるそうです。

梅の寿命はだいたい70~100年で、中には200年を超えるものもあるそうですが
そう考えると樹齢450年以上の臥竜梅は非常にすごい生命力を持っていますね。

まとめ

以上が「実は外来種だった意外な生き物」についての紹介でした。

「外来種」という言葉は最近、悪者などネガティブなイメージが持たれつつありますが
外来種というのは簡単に言うと日本出身ではない海外出身の生き物というだけです。

「在来種は正義で外来種は悪」というシンプルな対立構造で考えるのではなく
それぞれの生き物の分布や影響を考えて、それぞれで対応を考えるのが大事です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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ライデン
ゲーム・アニメ・漫画・映画などの娯楽や園芸・ペット飼育と少しの筋トレをこよなく愛するインドア派。