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【海の王者】カジキは『サメ』や『シャチ』より強い?意外な真実【肉食動物・最強】

皆さんは「カジキ」をご存じでしょうか?

スズキ目カジキ亜目 Xiphioidei に分類される魚の総称で
フェンシングの剣のような尖った吻(ふん)が特徴の魚です。

その巨体と吻による攻撃で人が死亡するという事例もあります。

では、カジキは海の王者『シャチ』や『サメ』よりも強いのでしょうか?

結論から申し上げますと『シャチ』の方が圧倒的に強いです。

では、何故シャチの方が強いのか、カジキという生き物について紹介しながら解説します。

『カジキ』の形態

魚類の中では非常に巨体で、大型種では全長4m以上・体重700kgに達します。

小型種でも成熟すると全長1mを超えます。

上あご部分が剣のように長く、鋭く伸びて「吻(ふん)」を形成している特徴的な見た目で
非常に見分けのつきやすい姿をしています。

カジキの種類によって、メカジキ科では吻がややひらべったい剣型
マカジキ科では円すい形の槍型など、細かな差があります。

カジキは肉食魚で、餌となる魚を捕食するときは吻を振り回して獲物を殴打して
気絶・致命傷を負って瀕死の状態になったところを捕食します。

また、吻は大型のサメ類から身を守るためにも使い、特に成魚の一突きは
十分な殺傷能力があり致命傷を与える事ができます。

『カジキ』の泳ぐスピード

カジキ類は水中における最速のスプリンター(短距離走者)です。

水中であるため、最高遊泳速度を正確に測定することは難しいのですが
バショウカジキのスピードは約125km/hと言われており
なんとシャチの2倍近くのスピードで泳ぐことができます。

25mプールであれば1秒以内に駆け抜けるという恐ろしい速さを出します。

バショウカジキのこのスピードは魚類最速で
水中で最も速く泳ぐことのできる動物としてギネスブックにも記載されています。

『カジキ』の生態

温暖な海を高速で遊泳する大型肉食魚で、世界中の海に広く分布すしています。

通常は暖海な海の水面を泳ぎ、餌を追って回遊しています。

1匹、もしくは数匹の群で行動し、つがいの絆が強いことが知られています。

食物連鎖の上位に位置し、イワシ・ニシン・トビウオ・アジ・サバなどの小魚や
カツオ・マグロ類、頭足類、甲殻類なども狩り、捕食します。

「メカジキ」はより冷たい海域にも生息し、深海海底付近でメヌケ類を捕食することがあります。

産卵期は5月~9月で、分離浮性卵(海中にばら撒く)を産卵します。

産卵期には普段沖合にいるカジキが沿岸にやってくるので
この時期に合わせてカジキ釣り大会が催されます。

カジキ類は時々船と衝突することがあり、イギリスの軍艦が浸水の原因を調べると
船底にメカジキの吻が突き刺さっていたという逸話があります。

「メカジキは気性が荒く、船を攻撃する事すらある」ことの証明とされているが
これらに関してはカジキ類がそのスピードゆえに船を避けきる事ができずに
「衝突」したに過ぎない、という考察もあります。

『カジキ』による死亡事故

2015年5月29日、ハワイ島ホノコハウ港内で
漁師のランディ・ラネスさんという47歳の男性が
体長約1.8mのメカジキを捕えようと海中に飛び込み、水中銃を発射して命中させたところ
直後にメカジキが暴れ、吻で胸を刺されて死亡しました。

『カジキ』VS『サメ』

純粋な「スピード」では魚類最速を誇るカジキですが
それは必ずしも「強い」わけではありません。

短距離競争であれば勝てるでしょうが、命を懸けた戦いでは話が変わってきます。

カジキのスピードや背びれはイワシなどの獲物を捕らえたり
サメなどの天敵から逃げるためのもので戦いに使うものではありません。

そのため、ほとんどの場合カジキは
サメにとっては捕食対象であり、逃げるべき対象です。

「ほとんど」としたのは理由があり
リビアで「オナガザメ」と呼ばれる種類のサメが
メカジキの攻撃で致命傷を負い、死んだためです。

死んだサメの大きさは約4.26mでしたが
カジキの吻がサメの背中に突き刺さり
エラの器官・神経組織や動脈にもダメージを受けていたそうです。

「窮鼠猫を噛む」と言ったところでしょうか。

『カジキ』VS『シャチ』

基本的にカジキはサメにとっての捕食対象となるため
当然ですが、サメすらも捕食対象とするシャチに勝つことはできません。

シャチはマイルカ科の中では最大の種で
平均ではオスの体長は5.8~6.7m・体重は3600~5500kg前後
メスの体長は4.9~5.8m・体重は1600~3600kg前後です。

最大級のオスでは体長9.8m・体重は10tに達しています。

この圧倒的な体格差は自然界では致命的で、襲われてしまえばひとたまりもありません。

また、カジキは口から海水を取り入れて呼吸をする魚で止まると窒息してしまいます。

運よく吻が巨大なシャチに刺さったとしても
巨体と皮膚が非常に丈夫なため、重要な器官まで吻が届くことはなく
バックが出来ないので抜けないまま窒息死する可能性が非常に高いです。

シャチについてはこちらにまとめました。▼

まとめ

今回は、何故シャチの方が強いのか、カジキという生き物について紹介しながら解説しました。

食物連鎖の上位ではありますが
スピードが速いだけでは海の王者やサメに勝つことはできません。

陸上でもチーターがアフリカゾウに勝てるかと言えば
そんなことは絶対にないので当然と言えば当然ですね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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