「マンボウ」という魚は皆さん恐らく知っている方は非常に多いと思います。
しかし、「マンボウは何科の魚なのか」「噂や都市伝説は本当なのか?」など
しっかり答えられる人は少ないと思います。
そこで今回は、マンボウとは一体どういう魚なのか
簡単に解説していこうと思います。
マンボウってどんな魚の仲間?
勘の鋭い人は、この見た目で何の魚の仲間か気付く人もいると思います。
マンボウは「フグ目」という、「フグ」や「カワハギ」が分類されるグループに属している魚です。
フグに近い特徴として、「腹びれがない」ところが挙げられます。
「フグ目」にも腹びれを持つものもいますが
フグ科・ハコフグ科・ハリセンボン科などは腹びれを持ちません。
マンボウも同じように腹びれがないのが特徴です。
他にも「エラ穴が小さい」「肋骨がない」などが他のフク目と共通しています。
ただし、マンボウを含む「マンボウ科」の仲間は尾びれもありません。
尾びれの代わりに「舵びれ」というひれを持っています。
マンボウはこの舵びれで方向の調整を行い、サメの背びれのように突き出た大きな背びれと
尻びれを動かして泳ぎます。
ちなみに「マンボウ科」にはマンボウの他にも複数の種類がいます。
最も重い硬骨魚
マンボウは形が面白いだけではなく、サイズが大きい魚としても有名です。
マンボウであれば全長270cm、ウシマンボウであれば全長330cmまで成長します。
重さも1t~2t近くにまでなり、マンボウはギネス記録でも
世界で最も重い硬骨魚として記録されています。
マンボウは何を食べている?
マンボウが何を食べているのかご存じでしょうか?
マンボウは雑食で、クラゲや魚、エビやカニの仲間など、幅広く食べています。
水族館では、貝や甲殻類や魚肉などを混ぜ合わせた餌を与えています。
ただ、飼育下では消化不良を起こしやすいらしく
混ぜ合わせたものを、水と混ぜてゼラチンで固めて消化しやすくした餌を
手で直接与えるという気を使った餌やりをしているそうです。
マンボウの卵の数
「マンボウは3億個の卵を産んで、生き残るのは2匹のみ」という話があるらしいです。
本当に3億個も産むのでしょうか?
結論から言うと、実ははっきりわかっていないようです。
3億個産むという情報の元ネタは、とある論文で
「解剖されたマンボウの卵巣に3億個の未成熟卵がある」と書かれていたそうです。
しかし、この論文には推定した計測方法が記載されていないらしく
信憑性が低いそうです。
加えて、3億個の卵があったとしても、それは卵巣の中にあった卵であるため
「本当に全ての卵を産むのか」「一度にその数を産むのか?」なども
はっきりわかっていません
「2匹生き残る」については何の根拠もない出所不明の誤った情報です。
マンボウの都市伝説の真相
①ジャンプした着水のショックで死ぬ
一番有名な都市伝説ですが、これは明らかなデマです。
マンボウは水面からジャンプすることはありますが、
その着水で死んだという事例は報告されていません。
②太陽の光が強すぎて死ぬ
これも誤った情報で、マンボウはむしろ海面近くまで上がり、
まるで日光浴するかのように体を横にして浮かんでいることがあります。
ちなみにマンボウの英名は「Ocean sunfish(太陽の魚)」といいます。
この日光浴的な行動には諸説ありますが、
海鳥に寄生虫を食べてもらっている様子や、深く潜って体温が下がった後に
海面で浮くことが確認されているので、
「寄生虫対策」「体温低下防止」が最も有力です。
③深海に潜った時の寒さで死ぬ
こちらも誤った情報です。
マンボウは頻繁に水深150mほどまで潜り、
中には800m潜ったという記録もあります。
もちろん変温動物なので、長い間深い水深に居れば体温が下がってしまうので
先に紹介したように一時的に海面に上がり、体温を調整する必要があります。
ただし、深海に何度も潜り餌を探しているので、弱い魚では決してありません。
マンボウはほかの魚に比べると、むしろ潜水がとても得意な魚です。
まとめ
マンボウはとても面白い魚で、知名度のわりにまだまだ謎の多い魚です。
まだ解明されていない生態が多い分、誤った知識が広まってしまったのかもしれません。
また、ここでは書ききれなかった生態などもありますが
今回はここまでにしたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!