動物パニック映画とは、蛇・サメ・ピラニアなど様々な動物が突然暴走し、遭遇したが人々を襲い、逃げたり対峙するという物語を持つ映画のジャンルです。。
時には自然災害や科学的な実験の影響などによって動物が異常な行動を取ることで、恐怖を煽ります。
パニック映画の代表作
代表的な動物パニック映画には次のようなものがあります。
- 「ジョーズ」(1975年):スティーブン・スピルバーグ監督のこの映画は、巨大なサメが海岸の町を襲撃する様子を描いています。
- 「バード」(1963年):アルフレッド・ヒッチコック監督の映画で、鳥たちが突然攻撃的な行動を取り、人々を襲う様子を描いています。
- 「キングコング」(1933年):巨大なゴリラが人間たちを脅かす映画で、襲撃シーンや追跡シーンが有名です。
- 「スナイパーヘッド」(1993年):ジョン・クレイトン監督のこの映画は、アフリカのサバンナでの狩猟がテーマであり、ライオンたちが人間たちを狙う姿を描いています。
- 「アラクノフォビア」(1990年):この映画では、毒蜘蛛たちが小さな町を恐怖に陥れる様子が描かれています。
これらの映画は、動物の本能的な恐怖や人間の無力感を描き、視聴者に緊張感や恐怖を与えることが特徴です。
実際の生態
映画内では積極的に人間を襲い、我々に狂暴なイメージを植え付けていますが、中には実際は意外な生態をしている動物がいます。
今回は、パニック映画に登場する動物の意外な生態を紹介します。
パニック映画に登場する動物の現実の意外な生態
サメ
動物系パニック映画を代表する動物と言えばこの動物です。
特に映画のモデルにもなっている「ホホジロザメ(ホオジロザメ)」はサメ類の中でも最強と言われていま。
とても有名な話ですがホホジロザメは肉食性であり、魚類、イカ、甲殻類などを捕食します。時には小型の哺乳類や鳥類も捕食します。
ホホジロザメは好奇心が強いと言われています。
時には人間の活動に興味を示し、船舶やダイバーに接近することがありますが、これが攻撃的な行動に繋がることもあります。
そんなホホジロザメですが、動物全体で見ると実は我々が思っているほど強くありません。
「海の王者(またはギャング)」と呼ばれるシャチに絡まれては気絶させられ捕食されています。
視力が人間の1/6しかないため、間違えてシャチに攻撃して一瞬で返り討ちにあってしまうこともあります。
一時期はホホジロザメやエビスザメが南アフリカの海岸を支配していましたが、たった2頭のシャチにあっという間に制圧されてしまいました。
シャチについてはこちら:【海の王者シャチ】最強の海洋生物!天敵やサメとの関係!見た目はかわいい
また、シャチと同じ鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)のイルカには集団で小突かれ、遊び道具にされてしまいます。
更にはイルカに思いっきり体当たりされ、内臓が破裂して死んでしまうことがあります。
ホホジロザメはマグロと同じく、泳ぎ続けないと呼吸ができずに溺れてしまうため、溺れないためにひたすら泳いでいます。
映画「ジョーズ」の影響で人間から恨まれてしまい、乱獲が進み絶滅が危惧されています。
ピラニア
ピラニアは鋭い歯を持つアマゾンの肉食魚です。
血のにおいや水面を叩く音に反応して反射的に襲う習性があり、時には自分より大きなサイズの獲物に襲います。
そのため、相手が強いか弱いかは関係なく、あのワニにすら群がってしまうほどです。
ピラニアの顎の力は自身の体重の30倍の力を持ち、仮に人間がこの力を持ったら鉄を噛み砕けるほどの力になります。
噛み付くのに抜群の才能のあるピラニアですが、実は性格は非常に憶病で、1匹では何もできず群れを作って生活しています。
群れでの行動を前提としながら基本的に自分より大きい生き物を襲う度胸はありません。
それでも襲ってしまうことがあるのは血のにおいや生き物の動きにビックリして
ある種のパニック状態に陥ってしまうからなのです。
自然下では群れは移動することなく常に同じ水域に留まっているため、乾季で水が干上がってしまうとその場に取り残され、亀や鳥の餌食になることもあります。
また、ピラニアはある小魚に苦戦することがあります。
観賞魚として有名なコリドラスという体長約3cmほどの魚で、コラーゲンとミネラルで出来た特殊なうろこを持っており、ピラニアに10回噛まれたても傷がまったくつきません。
硬いミネラル層がピラニアの歯が突き刺さるのを防ぎ、柔らかいコラーゲン層はピラニアの噛む力を吸収してしまいます。
ちなみに、ピラニアはパニックにならなければ人を襲う事もないので、こちらも観賞魚としても愛されている魚です。
なんとネオンテトラと同じカラシン目の魚です。
多くのカラシン目の魚が歯を持っており、実はネオンテトラの小さな口にも歯が生えています。
食用としても優秀で、生・焼く・煮る
何にしても絶品だそうです。
蛇
映画「アナコンダ」のモデルになったボア科アナコンダ属の蛇は、「ミナミオオアナコンダ」と「キタオオアナコンダ」と「キイロアナコンダ」の三種類が存在し、単にアナコンダと言った場合はほとんど前者のオオアナコンダの方を指します。
オオアナコンダは南アメリカ大陸北部のアマゾン川流域に分布しており、キイロアナコンダはボリビア、パラグアイ、ウルグアイ、ブラジル西部およびアルゼンチン北東部に分布しています。
オオアナコンダは現在確認されている最大サイズで9mととても巨大ですが、キイロアナコンダは300-370cm、最大450cmと大型種ではありますがわりと小さめです。
ですが、気性はキイロアナコンダの方が荒いです。
映画のアナコンダは積極的に獲物を追いかけて機敏に襲い掛かりますが、実際は水中や茂みの中などでじっと待ち伏せて、通りかかった時に素早く噛み付いて絡みつきます。
蛇のアゴは伸縮性があるので、大きな獲物でも丸のみにできます。
大きな獲物を食べたあとは、消化に非常に時間が掛かるため数週間から数カ月も食べずにいられます。
満腹の間は非常におとなしいです。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されています。
ですが、特定動物に指定されているため、飼育には地方自治体の許可が必要です。
ちなみに、「アナコンダ」という名前は
スリランカに分布する「アミメニシキヘビ」の現地名であるシンハラ語の「hena-kanda」もしくはタミル語の「anaik-konda」に由来しています。
ゴリラ
ゴリラの主食と言えばバナナというイメージがありますが、実は野生のゴリラはバナナを主食にしていません。
野生のゴリラが生息する地域にはバナナが自生しておらず、気温も低いため、バナナのような熱帯の果実がほとんど育ちません。
その為、果物も食べますが基本的に木の葉や木の樹皮、草などの繊維質の植物を主食としています。
その他に昆虫まで食べるそうです。
ゴリラは威嚇行動でうんちを投げたりしますが、求愛行動でうんちを投げることがあります。
推定ですが、握力は500kg、パンチ力は2tと凄まじい筋肉量があるそうです。
凄まじい筋肉量のゴリラですが、意外にも繊細でストレスに非常に弱く、頻繁に下痢をしてしまいます。
ストレスに対する耐性がほとんどないため、人間のようにワキガになってしまうゴリラも多いのだとか。
ゴリラの平均IQは80も前後あり、手話を覚える事ができます。
ココという名前のゴリラで、手話で人間とコミニュケーションが取ることもでき、嘘やジョークを言ったりまるで人間のように子猫を可愛がったりしたそうです。
(2018年6月19日46歳没)
人間には血液型がO・A・B・AB型の4種類が存在しますが、ゴリラの血液型は全てB型です。
食事量は1日18~30kgにも及ぶことがあります。
草食動物の中でも大食いなパンダでさえ15kg程度なので、その食べっぷりは凄まじいです。
蜘蛛
現実に存在する巨大な蜘蛛はタランチュラが有名です。
タランチュラはその巨体から「噛まれたら死ぬ」ような猛毒の蜘蛛のようなイメージがあり、現地ではタランチュラに噛まれると「タランティズム」という病気を発症し、踊り続けないと死ぬという伝説があります。
ですが、実際はミツバチよりも毒性が弱いです。
ただし、噛む力は強く、二本の鋭い牙はプラスチックを貫通するほどの威力を持ちます。
タランチュラは狂暴なイメージがありますが、非常に温厚で自分から攻撃することはあまりありません。
タランチュラは種類によっては身の危険を感じると、お腹の毛を足で蹴って飛ばします。
この毛は皮膚に刺さることがあり、人によっては強い痒みを感じます。
「カメルーンレッドバブーン」と呼ばれるタランチュラはなんと泳ぐことができ、魚を捕食することもあるそうです。
タランチュラは一度食事を摂ると、長いと1ヶ月以上絶食することがあります。
オスの寿命は1~3年、長い種で5年程度ですが、メスはなんと20年以上生きることがあります。
ワニ
敵から襲われる危険な環境にいるワニは、両目を閉じずに片方の目を開けたまま眠っています。
イルカのように脳の半分を眠らせているのではないかと言われていますが、まだ確定はしておらず推測段階のようです。
ちなみに動物園のワニは外敵に襲われる心配がないため、両目を瞑ってぐっすり眠っているようです。
ワニは体が水に浮いてしまうため、石を食べ、消化を助けるのと同時に重りの役割も果たします。
ナイル川に生息する「ナイルワニ」は無差別に何でも食べる習性があります。
大型の哺乳類まで襲われるなど気性が荒いとされています。
しかし、そんなナイルワニには爬虫類の中でも珍しい性質があり、親ワニが子ワニの世話をするというものです。
大抵の爬虫類は産卵が終了すると卵を放置するのですが、ナイルワニのメスとオスは孵化するまで巣を熱心に守ります。
子ワニが孵化した後も近くで過ごし、1年ほどの間成長を見守ります。
凶暴で気性が荒いとされるナイルワニですが、以外にも子煩悩なのです。
ワニの噛む力は1t以上あり、車のフレームを噛みちぎるほどの強さがあります。
一方で、開く力は非常に弱く、輪ゴム1個を口にはめ込むだけで開けなくなってしまいます。
ワニは恐竜の出現する2億年以上前の三畳紀からほぼ姿形が変わっていません。
シーラカンスのように昔から同じ姿で長い歴史を生き続けています。
そして、30~50万年前頃には日本にもワニが生息していました。
1964年に大阪大学豊中キャンパスの理学部で新校舎建設現場から化石が産出され、「マチカネワニ」と名付けられました。
大阪府のゆるキャラ「マチカネくん」はこのワニがモデルとなっています。
まとめ
以上がパニック映画のあの動物の意外な生態についての解説でした。
パニック映画では迫力を求めるあまり狂暴な一面しか見せませんが、実際の生態は意外と穏やかだったり面白かったり様々です。
このように、動物の世界には私たちが知らないことがたくさんあります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!